テトラサイクリン歯とは?ホワイトニングで白くなる?
2024/05/012024/05/22
目次
テトラサイクリンとは?
テトラサイクリンは、抗生物質の一種です。昭和40年代には、風邪薬のシロップとして広く使用されていました。現在でも、全身疾患やアレルギーを考慮して使用されることがあります。ただし、歯に着色が生じる副作用があるため、使用する際には注意が必要です。
テトラサイクリンと歯の関係
永久歯、つまり大人の歯が形成される時期に一定量以上のテトラサイクリン系抗生物質を摂取すると、歯のカルシウムと結合して蓄積されます。テトラサイクリンは元々色素を持っていますが、紫外線に当たると化学反応を起こし、色が変化していきます。その結果、歯が濃い黄色や灰色がかった色味を帯びることがあります。そのため、妊娠中や授乳中の方、また0歳から8歳までのお子様は、できるだけテトラサイクリン系抗生物質の摂取を避けるべきです。一方、永久歯が完成した後の摂取に関しては、テトラサイクリンによる歯の着色は起こりません。
テトラサイクリン歯の特徴
しかし、胎児や幼児の頃にテトラサイクリン系抗生物質を服用したことを覚えている人はほとんどいません。自覚症状もないため、一概には言えませんが、以下にテトラサイクリン歯の特徴を挙げてみましたので、自分がテトラサイクリン歯かどうかを見分ける目安として参考にしてください。
・歯の色が他の人よりも濃い。
・歯の色が灰色や青色を帯びている。
・歯に縞模様が見られる。
これらの特徴を持つことがあります。歯の色は特徴的ですが、形状や機能には問題がない場合が多いです。痛みもないため、歯の色が濃い以外は普段の生活に支障はありません。歯科医院を受診して初めて気づくことも少なくありません。
テトラサイクリン歯の分類
テトラサイクリンによる歯の変色は、以下のように第1度から第4度まで分類されます。
第1度:歯冠全体が淡い黄色、褐色、灰色で均一に着色され、縞模様は見られません。
第2度:第1度よりも濃い色で歯冠全体が均一に着色され、縞模様は見られません。
第3度:濃い灰色や青みがかった灰色で、縞模様が見られます。
第4度:着色が非常に濃く、縞模様が明瞭に現れます。
これらの分類によって、ホワイトニングに必要な期間が大きく異なることがあります。
テトラサイクリン歯のホワイトニング
テトラサイクリンによる歯のホワイトニングは通常よりも困難です。特にオフィスホワイトニングでは効果を感じにくく、ホワイトニングを完了させるためには多くの通院が必要です。これは、歯の内部組織に原因があるため、外部組織に作用するオフィスホワイトニングだけでは歯が白くなりにくいからです。そのため、オフィスホワイトニングと併用してホームホワイトニングを行うことをおすすめします。
ホームホワイトニングは、マウスピースを使用して行われる歯のホワイトニング方法です。マウスピースを使用することで、薬剤が歯に密着し、象牙質まで浸透して作用します。この方法により、象牙質の着色を取り除くことができ、根本的な黄ばみを改善することができます。テトラサイクリン歯のような象牙質の着色が原因で歯の色が変わってしまった場合でも、ホームホワイトニングによって大幅な色の変化が可能です。ただし、ホームホワイトニングには時間がかかるという欠点があります。また、第3、4度の中程度から重度の着色が見られる場合には、長期間のホワイトニングが必要となる場合があります。