歯磨きの正しい方法は?悪いポイント・良いポイント
2024/04/092024/05/21
歯磨きをしっかりと行っているのにもかかわらず、虫歯ではないのに歯が痛い場合、歯の磨きすぎが原因かもしれません。この記事では、歯の磨きすぎが良くない理由について具体的に説明します。さらに、痛みを和らげる方法や正しい歯磨きの方法も紹介しますので、参考にしてください。
目次
歯磨きのし過ぎは口内トラブルに発展する
歯を丁寧に磨くことは良いことですが、過剰に磨きすぎると口内トラブルの原因になるので注意が必要です。
◇知覚過敏になりやすくなる:歯を強く磨きすぎると、歯の表面やエナメル質が削れて象牙質が露出することがあります。象牙質は刺激に非常に敏感であり、露出すると冷たい食べ物などを口に入れるときに「ズキッ」と痛みを感じたり、歯がしみたりする知覚過敏の症状が現れることがあります。また、虫歯にもかかりやすくなるため、注意が必要です。虫歯予防のためにしっかりと歯磨きをしている人や、1日に何度も歯磨きをする人は注意が必要です。力が強すぎる場合、エナメル質がすり減る可能性があります。
◇歯茎が下がりやすくなる:歯を過剰に磨くと、歯茎に過度な圧力がかかり、歯茎が傷ついてしまい、退縮してしまう可能性があります。この状態は「歯肉退縮」と呼ばれ、歯茎が下がることで歯の根が露出し、見た目の美しさが損なわれるだけでなく、食べ物が歯の間に詰まりやすくなります。さらに、本来歯茎に覆われている歯の根は柔らかく汚れも付きやすいため、歯茎が下がると虫歯にかかりやすくなります。歯茎が一度下がってしまった場合、通常は元の状態に戻らないと考えられています。そのため、歯磨きを行う際には、歯茎を傷つけないように優しく磨くことが重要です。
すでに症状が出ている場合は?
「歯がしみる」とか「歯茎が下がっているように感じる」といった症状がある場合は、歯科医院で歯や歯茎の状態を診てもらうべきです。歯の表面やエナメル質が磨きすぎで摩耗してしまった場合、基本的には元に戻りませんが、正しい磨き方をすることで現状を維持することは可能です。間違った磨き方を続けると症状が悪化する可能性もあるため、早めに歯科医院を受診しましょう。そこでは知覚過敏や歯肉退縮などのトラブルに対する処置を受けることができます。歯のエナメル質がそこまで削れていない場合は、しみ止め薬を塗ることで症状が和らぐ可能性があります。一定の削れた部分がある場合は、プラスチックの詰め物で修復する治療も行われることがあります。歯科医院では、適切なブラッシング方法を学ぶこともできます。個々の歯並びや歯茎の状態によって、適したケア方法が異なるため、専門家による指導が重要です。また、歯の着色が気になる場合は、ホワイトニングなどの相談もおすすめです。歯科医院では、個々の状態に合わせた適切なホワイトニング方法を提案してくれるため、歯への負担も最小限に抑えられます。
正しい歯磨きのポイント
歯磨きの方法を工夫することで、磨きすぎを防ぐことができます。もし自分が磨きすぎていると感じる場合は、以下のポイントを意識して歯磨きを試してみましょう。
◇磨く順番を決める:磨く順番を決めておくことには2つの利点があります。1つ目は、順番通りに磨くことで「磨き残しが少なくなる」ということです。2つ目は、「特定の歯の磨きすぎを避けることができる」ということです。順番を決めておかないと、つい磨きやすい前歯に圧がかかりすぎたり、磨きにくい奥歯の裏などが磨けていなかったりということが起こります。そのような事態を避けるために、磨く順番を決めておき、順番どおりに磨いていきましょう。
◇時間をかけて磨く:歯磨きをする際には、歯ブラシを小刻みに動かし、時間をかけて丁寧に行いましょう。怠けて数本まとめてブラッシングすると、歯の形状に合わせたブラシの当たりが悪くなり、磨き残しが生じる可能性があります。磨き残しや特定の部分を過剰に磨くことを防ぐために、1本ずつ時間をかけて磨くことをおすすめします。5~10分程度をかけて丁寧に磨きましょう。
歯の状態に合った磨き方
歯を磨く方法には、主に「スクラビング法」「バス法」「フォーンズ法」の3つがあります。歯の状態によって使い分けることが重要です。以下では、それぞれの特徴を紹介しますので、自分の歯の状態に合った方法を試してみてください。
◇スクラビング法:一般的には、歯茎への刺激を最小限に抑えるために、スクラビング法という磨き方が推奨されています。この方法では、歯ブラシをペンのように持ち、毛先を歯に直角にあてて小刻みに磨くことで、歯の表面を効果的に清潔に保つことができます。
◇バス法:歯周病や歯肉炎などの問題を抱える人に適した磨き方です。この方法では、歯と歯茎の間に毛先をあてて左右に小刻みに動かすことで、歯周ポケットの汚れを取り除くことができます。また、歯茎のマッサージ効果もありますので、歯茎を傷つけないように柔らかい毛の歯ブラシを選ぶことがおすすめです。
◇フォーンズ法:フォーンズ法は、力加減が難しい子どもや高齢者に適している磨き方です。歯ブラシを直角にあてて、上下の歯を噛み合わせた状態で円を描くように磨いていきます。
以上、3つの磨き方について簡単に紹介しましたが、どの方法も過度に磨かないことが重要です。また、磨き残しがないように時間をかけて丁寧に磨きましょう。
まとめ
本来は歯を健康に保つことが目的なのに、磨きすぎてしまうと知覚過敏や歯茎の退行を引き起こしてしまう可能性があります。一度傷ついたエナメル質や下がってしまった歯茎は元に戻りませんが、適切な磨き方を身につけることで症状の悪化を防ぐことができます。
この記事で紹介した歯磨きのポイントを意識して、毎日の歯磨きを見直してみましょう。もし痛みなどの症状がある場合は、歯科医院で歯と歯茎の状態を診てもらうことをおすすめします。