ホワイトニング後の「自然な白さ」とは?ホワイトニングで歯が白くなる仕組み
2024/03/312024/05/21
ホワイトニングを考えている方の中には、歯があまりにも白くなると不自然に感じるという方もいるかもしれません。具体的には、「自然な白さ」とはどの程度のものなのか、ホワイトニングを受けると芸能人のように真っ白になるのかといった疑問があるかもしれません。この記事では、ホワイトニングによる「自然な白さ」の基準や歯が白くなるメカニズムについて詳しく解説していきます。
目次
ホワイトニング後の「自然な白さ」とは?
ホワイトニングを行う際には、歯の色を測定するためにS2~S40までの数値を表したシェードガイドが使用されます。日本人の平均的な歯の白さは、S30~S32とされています。数値の目安として、「S12以下は、白い印象を与える」「S14~S30は歯の色に違和感がない」「S32以上は歯が黄色いという印象を与える」です。日本人の歯は一般的に少し黄色みがかった白さが多いです。ホワイトニングでは、S12~S14程度の自然な白さを目指すことが一般的です。一部の人は、S12~S14よりもっと白くしたいと考えるかもしれませんが、その場合はラミネートべニアやセラミックを使う方法が一般的です。ただし、これらの方法は健康な歯を削る必要があり、コストもかかり、歯の寿命が短くなる可能性があります。そのため、歯の健康を考えると、これらの方法はおすすめされていないことが多いです。
ホワイトニングで歯が白くなる仕組み
なぜホワイトニングによって歯が白くなるのか疑問に思うかもしれませんが、その仕組みは薬剤の2つの効果によるものです。歯科医院で使用するホワイトニングの薬剤には、過酸化水素や過酸化尿素が使用されます。これらの成分は、歯の表面に付着したステインなどの汚れを分解し、無色透明にする効果があります。この効果を「ブリーチング効果」と呼び、歯が白く見える理由の一つとなります。歯は、エナメル質、象牙質、歯髄の3つの構造で構成されています。象牙質はエナメル質の下にあり、黄色っぽい色をしています。エナメル質が薄くなると、象牙質の色が透けて歯が黄ばんで見えることがあります。さらに、象牙質は年齢を重ねると色が濃くなる傾向があります。そのため、歳を取ると歯が黄ばんで見えることが多くなるのです。「ブリーチング効果」によって歯の表面を無色透明にすることはできますが、象牙質まで漂白するのは難しいとされています。しかし、過酸化水素や過酸化尿素はエナメル質の構造をすりガラス状に変化させ、光を乱反射させることで象牙質の色を見えなくする「マスキング効果」があります。ホワイトニングでは、これらの「ブリーチング効果」と「マスキング効果」によって歯が白く見える仕組みとなっています。
白い歯を保つために
個人差はありますが、ホワイトニングの効果はオフィスホワイトニングで3~6ヶ月、ホームホワイトニングで6~12ヶ月程度持続すると言われています。ただし、食生活によっては、ホワイトニングをしても着色汚れが付着したり、色が戻ったりすることがあります。ホワイトニング後に自然な白さを保つためには、以下の方法がおすすめです。
①定期的に歯科医院でメンテナンスを行う:ホワイトニングを受けた後、歯の白さは永続的ではありません。そのため、定期的に歯科医院でのクリーニングとホワイトニングを行うことで、白さを維持することができます。さらに、定期的な歯科医院でのメンテナンスは、虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。
②飲食後はすぐに口をゆすぐ:カレーやコーヒー、チョコレート、紅茶、赤ワイン、コーラなど、着色しやすい飲食物を過剰に摂取すると、ホワイトニング効果が妨げられる可能性があります。これらの飲食物は着色汚れの原因となりやすいです。ホワイトニング中は、上記の飲食物を控えることがおすすめです。ただし、飲食後に歯磨きやうがいをすることで、汚れがつきにくくなります。また、喫煙もホワイトニングの効果を損なう可能性があるため、注意が必要です。
③ホワイトニング歯磨き粉を使用する:自然な白さを保つためには、ホワイトニング歯磨き粉を使うこともおすすめです。普段の歯磨きにホワイトニング歯磨き粉を取り入れることで、汚れやステインの付着を予防できます。ホワイトニング歯磨き粉には様々な種類がありますが、歯に優しくお口の健康を維持できるものが適しています。ホワイトニング歯磨き粉には研磨剤が含まれているものも多く出回っていますが、これは歯の表面を傷つけ、知覚過敏を引き起こす可能性があるため、あまりお勧めできません。使用する際は、無配合か低研磨性のものを選ぶことをおすすめします。
まとめ
歯科医院でホワイトニングを行う際は、シェードガイドを使用して理想の歯の色を目指すことができます。施術中にしっかりと相談をしながら進めるため、想定以上に過剰に白くなることはほとんどありません。ホワイトニングの効果には個人差がありますが、基本的には歯の自然な白さに戻すことが可能です。先述の通り、ホワイトニング後の白さは永久的ではないことに留意してください。歯科医院での定期的なメンテナンスはもちろん重要ですが、ホワイトニング歯磨き粉を併用することで、より長期間効果を得ることができます。また、着色汚れや色戻りを防ぐためには、まずは日常生活の見直しを行うことが大切です。